エクステリアの基礎知識
エクステリアの基礎知識
いざ探し始めて、エクステリア業者の多さに驚かれる方も多いでしょう。「~エクステリア」
「~外構」「~造園」と数多くの業者があふれています。
エクステリアの業者やプランを考える前にまずは、良質なエクステリア造りのための基礎知識、
よくある疑問を徹底解説致します。

建築基準法2条の定義によると 建築物とは「土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱もしくは壁を有するもの」と記載されています。カーポート・ガレージ等も建築基準法上、建築物という扱いになるため、新築住宅同様に建築確認申請の手続が必要になります。
しかし現状、違反建築である場合が多いのです。
建築基準法に適用されるとご存知の無い方も多く、またこれまでカーポートの違反建築が見逃されてきた現状から抜け出せていません。

カーポートは何故違反建築され続けてきたのか

新築の場合、まず1点は、カーポートは建ぺい率(敷地に対して建物の建築面積の割合)算定上は建築面積の上限が小さくなってしまうからです。もう1点が、アルミのカーポートはアルミ構造が旧来の建築基準法の規定外だったので、合法的に建てる事は特殊な個別の認定などを取らないと違法になり難しいという法の矛盾があったためです。このため、確認申請上認められる合法なカーポートにしようとすると、一から設計し鉄骨造の平屋の建物としないとならず、コストや使用上、現実的では無いので不適合アルミ製を後設置する事例が多く、審査側も法矛盾や法整備が主原因なので現場検査時に設置されていなければ、ほとんど追求する事もなかったのです。

近年では、ハウスメーカーなどではコンプライアンス(法令遵守)の観点より、建築確認申請を必ず提出しているか、カーポートの設置そのものをお断りしている業者がほとんどですが、エクステリア専門店、外構業者に限ってはこれまで通り、申請手続きがほとんどされていません。
外構業者が工事着工の際には、既に建物引き渡し済みのため、ご新居の建築確認申請の検査が通っているため、別途で手続を行う費用や手間、また建築基準法に適合していないカーポートを設置している場合も多いためです。

建築前の確認事項

カーポートでもプレハブ製の物置でも、単に置くだけでも、壁の有無に関係なく、柱があって屋根があれば、原則、建築物となります。(植物栽培目的のビニールハウスなどの例外はあります。)カーポート・ガレージを建てるために必ずクリアしなければいけないのが『建築基準法』と『都市計画法』です。
 1.建ぺい率(敷地に対して建物の建築面積の割合)
 2.容積率(敷地に対して建物の床面積の割合)
 3.採光(居室床面積の1/7以上の窓を設置すること)
 4.用途地域(防火地域・準防火地域・法22条地域に建てる場合、制限が掛かる)
 5.地区計画(地区計画内の基準に適合すること)
 6.仕様規定(基礎コンクリートの寸法、柱・梁等の太さ、積雪荷重など)
ほんの一部ですが、これらすべてがクリア出来て、ようやく建築基準法に適合したカーポート・ガレージを建てることができます。

建ぺい率とは?

建ぺい率とは建築基準法53条で定められている規制のことです。分かりやすくいうと敷地に対する屋根の割合のことです。この数値の上限は、各地域の都市計画により定められ、用途地域により許容建ぺい率が決まります。
住宅等の建築物はもちろん物置や車庫等も含みます。
ご新居を建てられた後にカーポートや物置を増築した場合でも変わりませんので、もし物置等を含めて建ぺい率が上限を超えてしまった場合は、物置だけでなく敷地全体として違反建築物の評価を受けます。
一定の条件を満たす場合、柱があっても建築面積の不算入措置が適用できる部分があります。それが、「高い開放性を有する建築物の建築面積の不算入措置」です。
以上の条件を満たしていればカーポートなどは建築面積が先端から1mまで不算入で申請できます。

容積率とは?

容積率とは敷地に対して、建物の床面積の合計(延床面積)の割合のことをいいます。これも建ぺい率と同じく、各地域の都市計画により定められ、用途地域にごとに許容容積率が決まります。
自動車車庫は「敷地内の建築物の床面積の1/5を上限」に容積率の緩和を受けられます。また、構造に関係なく、車庫であれば「カーポート」なども緩和されます。
車庫の容積率緩和には、特別な条件は必要ありません。用途が自動車車庫であれば、自動的に緩和され、車庫までの経路(誘導車路)また、自動二輪車、自転車置き場も容積率緩和の対象となります。

「床面積が10㎡以内の場合は申請不要」 の落とし穴

ここまでにカーポート・ガレージ・物置でも建築確認申請が必要ですと伝えてきましたが、お調べいただければすぐに分かるように一部申請不要の場合があります。
「床面積が10㎡以内の場合は申請不要」とありますが、これは、防火地域及び準防火地域外においてを増築する場合、床面積の合計が10㎡を超えない建築物(物置きや自転車置き場など)は建築確認申請が不要ということです。

ただし、建築確認申請は不要ですが、「建築基準法の適応内」であることに変わりはありません。申請不要でも建築基準法に適応していないカーポート等を設置したら、違法建築となりますのでご注意ください。

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